居場所をください。
嫌なことは忘れます。
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それから雑誌やラジオの仕事も復活し、
髪の毛はばっさりショートに戻して
きれいな金髪に明るい茶色の前髪で
今回はあまり差がない髪色。
そんな髪の毛になってハッピーになったのも束の間
映画の稽古が始まったのだ。
「由茉ちゃん!」
はっきりいって私はいらない気もするのに
強制参加させられてるこの稽古場では
貴也が夏音に抱きつくシーンを
何度も目にすることとなる。
「美鈴、進んでねーけど。」
そんな稽古場で私だけ
一人でパソコンと向き合い歌詞を考えさせられている。
「お前な、もうすぐライブの練習も始まって
映画の稽古もあるんだから
さっさと考えてけよ。」
隣では長曽我部さんが
私の監視をしている。
「………でも明日から私三連休だし
そこで考えるからいい。」
「だから今は貴也が他の女に
抱きついてるのを見てんのか?」
「………うるさいなぁ。」
「…誰に向かって口を利いてんだ?」
「スミマセン。」