居場所をください。
「将太は貴也と話したりする?」
「そりゃ話すよ。
共演者だしね。」
「はは、そうだよね。」
「松野くんは初めて共演するけど
テレビとは全然違うんだねー。
自分に厳しいっていう風に聞いてたけど
それはそのままだね。
この前台本受け取ったのに
もうセリフ完璧だし、キャラにもなりきってるし。
すごいよね。俺なんかまだ前半しか覚えてないし。」
「え、そうなの?」
あの人家では全然台本読んでないのに?
いつ読んでるの?あの人は。
私が読んでるといじけるくせに。
「いったいどんな脳をしてるんだか。
セリフもすごい多い役なのに。」
「………確かに。」
私も気になるよ。
いったいどうやって覚えてるんだ。
「私なんかまだまだなのになー。」
「それはやばいね。」
「う、うるさいよ!」
だっていっつも貴也がいじけるから
台本を家で読めないんだもん!