居場所をください。



「ま、あんな演技見ていい気分しないだろうけど

所詮演技だしあんま気にしない方がいいよ。」


「うん、ありがと。」


「さてと、俺ももう一頑張りしてくるかな。」


「あれ、休憩終わり?」


「たぶんね。

松野くんと入れ替わり。

松野くん絶好調だから多分交代だよ。」


「あ、そっか。

頑張ってね。」


「ありがと。」


将太はお茶を一口飲んで、

また前の方へと戻っていった。


私はもうパソコンを片付けて

台本を読んでいた。

歌詞なんか全然降りてこない。

長曽我部さんに怒られるね、このままじゃ。


「なに話してた?」


ん?


「………あ、貴也お疲れ様。」


「で、二人でなに話してたんだよ。」


「え?…あぁ、将太と?」


「将太?

お前らそんな仲良くなったのかよ。」


「え、いや、ついさっき

まともな会話をしたところだけど…」


「なに話してたんだよ。」


「え、別に…

頑張ってね、みたいな。

特に深い話はないよ。」


「ふーん。」



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