居場所をください。
「美鈴!」
外へ出ると長曽我部さんの車が停まってて
窓から私を呼んでいる。
「ほら、行きなよ。」
「将太は?」
「俺はまだ稽古あるし。
なんてったって主役だし?」
「え、じゃあ私を送るためだけに?」
「美鈴の嫉妬が顔にまで出てたからね~。
そのまま帰るじゃ気分悪いかと思って。」
「………ありがと。」
「どういたしまして。
じゃね。俺いくわ。」
「うん。
稽古頑張ってね。」
「ありがと。それじゃ。」
将太は長曽我部さんにも頭を下げて
建物の中へと戻った。
「………お待たせしました。」
「矢島くんと仲良くなったんだ?」
「まぁね。
初めてまともに喋ったよ。
人のために尽くしすぎる人って
あれ当たってるね。」
「優しすぎるだろ。」
「それよりどこ行くの?」
「あぁ、アウトドアショップ。」
「アウトドア?」