居場所をください。
「美鈴、もうすぐ太陽出そう。
あっちいこう。」
「うん。」
ついて早々座った私に
長曽我部さんがいって、
太陽の方に向かった。
もうへとへとで
長曽我部さんの腕にしがみついて。
「カメラ出して~。」
「リュック下ろせよな。」
と言いつつ、長曽我部さんは
リュックからカメラを出してくれて
太陽が登る前のこの一瞬もおさめる。
これはこれで綺麗だ。
雲の上にいる不思議な景色。
これが雲海というものか。
「もう少しだな。」
空はかなり明るくなってきた。
向こうはすでに少しオレンジ色。
私はカメラを構えてその瞬間を待っていた。