居場所をください。
「ん~っ!
帰ってきたなぁ。」
「まだ五合目だけどな。」
無事下山した私たちは
とりあえず五合目と書かれたところで
写真を撮る。
それはそれは目立つ行為で
写真を撮るからサングラスも外したわけで
バレバレだった。
いつの間にか周りには
若い男女がたくさん。
お年を召されたかたには
全く興味をもってもらえなかったけど
……ま、仕方ないね。
「美鈴、車行くぞ。」
「うん。」
なんかいろんな人に握手を求められるから
握手しながら私は車へと向かった。
いつも思うけど
私の手なんか握って何が嬉しいんだろう。