居場所をください。
「あー、なんかこっちまで緊張してくる~!」
「なんで?」
「え、楽しみすぎて!
やっぱり自分の時とは違うね。」
高橋が気をつかってか
私を通路側にしてくれたから
私は高橋と柵だけに囲まれている。
前にも柵、横にも柵。
後ろに人はいるけどこれはこれで気づかれない。
当たり前だけど。
なにより高橋の威圧がすごい。
ただのヤンキーだ、これじゃ。
「もうすぐ高校生活も終わりだね。」
「そうだな。
一番楽しかったな~、高校時代が。
まだ高校生だけど。」
「一番の思い出は?」
「いっぱいありすぎてわかんねーけど
俺と美鈴が初めて喋ったときは
なかなか忘れない出来事だったな。」
「だって高橋、ただのヤンキーだったもん。」
「うるせーよ。」
でもあの時あの出来事があったから
高橋は夏音に惚れて私たちは仲良くなったんだよね。