居場所をください。
高橋との出会い。貴也side
━━━━━━━━━━━━━━・・・・
「あれ、美鈴は?」
「あそこで真剣にヘアアイロン選び。」
「あぁ、そういや買い換えたいとか言ってたな。」
「……お前らさ、なんでもよく知ってんだな。
お互いのこと。」
「そりゃ俺は美鈴の一番の友達だし?
ま、彼氏のあんたには負けるけど。」
「……お前と美鈴っていつから仲いいわけ?」
「高校入ってすぐ。
美鈴はあの見た目だから入学式から
かなり注目を浴びてた。
男からしたら高嶺の花、みたいな。
俺は全然興味なかったんだけどな。」
「なのになんで友達に?」
「入学して3日くらいかなー。
俺と美鈴は同じクラスだったんだよ。
俺は授業サボって屋上にいたんだけど
気づいたらそのまま寝てて。
いつの間にか昼休みになってたから
タバコ一本吸って教室戻ろうとして
タバコに火をつけたわけだよ。
そしたら屋上で飯食ってた美鈴に見つかって
俺すげー怒られたんだよ。
授業もサボったあげく、
未成年の癖にタバコ吸ってるなって。
俺はうるせーな、お前には関係ねーだろ
ってかなり強目に言ったんだけど美鈴は折れなくて
あんたがバカになろうが体壊そうが
私には関係ないし、どうでもいいけど
親の金で学校に通ってるくせに授業サボるな、
親が命懸けで産んでくれた体を
痛め付けてんなよって俺を怒鳴ったんだよ。
親が必死になって稼いだ金を無駄にするなって。
それがとにかくインパクト大で
むかついて俺はすぐ教室に戻ったんだけど」