居場所をください。
しばらくして、大人たちが来た。
きっと私たちを呼んだ人。
と、社長。
「五十嵐さん、お疲れさま。」
「お疲れさまです。」
なんで私だけ?
「えーと、とりあえず沙耶香と貴也からな。
春に映画が決まった。主演な。
これ、台本。急だけど頼むな。」
へぇ、春公開でこの時期に決まるのは急なのか。
「で、五十嵐さんには主題歌を頼むよ。」
「……………え、え!?私がですか?」
まだデビューもしてないのに…?
「監督や音楽チーフに
主演二人がうちの事務所だから
できれば主題歌もお願いしたいと言われてな。
五十嵐さんの歌を聞かせたら気に入って
ぜひお願いしたいそうだ。」
「そうなんですか、ありがとうございます。」
まだデビューすらしてない私にね…。