居場所をください。
「その1週間後くらいかな。
昼休みに昼寝するところを探してたら
たまたま夏音がいじめられてるところを見て
俺はどうでもいいし助けようとかも思わなかった。
巻き込まれたくなくてすぐ立ち去ろうとしたんだけど
美鈴が夏音を助けたんだよ。
ガキみたいなことしてんな、
そんなことしてる自分が
かっこいいとでも思ってんのかよって。
基本的に美鈴って今は隠してるけど
元々すげー言葉も荒くて。
その迫力もすごかったし、
なによりこいつは真っ直ぐ生きてんだなって。
それから美鈴のこと気になり始めて、
そしたら夏音がちょー可愛くて惚れて
夏音に近づきつつ、美鈴のことも知ってったら
普段は本当に普通の女で、間違ったことは言わなくて
勉強は出来なかったからいつも夏音頼りだったけど
それでも誰かを守ろうとする強い心も持ってて
誰かを信じようって心もちゃんと持ってて
俺、こいつと友達になりたいって思うようになって
それから俺はタバコをやめた。
俺荒れてたからさーカツアゲとかもしてて
でも美鈴が夏音いじめてたやつに言った
そんなことしてる自分が
かっこいいとでも思ってんのかよ
って言葉が俺にも響きすぎて
そういうのも一切やめた。
俺、すげーだせーなって思った。
美鈴は俺のこと友達とは思ってなかったみたいだけど
美鈴が一高やめるって言ったときは
俺も結構ショックでさ。
その時初めて言ったんだよ。
俺ら友達だろ?って。
あの言葉がなかったらきっと
俺と美鈴はここまで続いてなかったな。」
「……ふーん。」