居場所をください。
「社長、この子誰~?」
赤堀さんがいった。
ずいぶんテレビと違うね、印象が。
「うちの新人歌手。五十嵐美鈴さんだ。」
「この人に任せていいのー?
見たことないけど。」
そりゃそーだ。デビューすらしてないんだから。
「大丈夫だ。この子の歌はすごいからな。」
社長がそういうと赤堀さんは黙った。
「で、曲はもうできてるんだ。」
そういって社長は私にCDを渡した。
「これに歌詞をつけてほしい。」
「わかりました。」
「3月中旬には歌いれをしたいから
2月中に歌詞を頼むよ。」
「はい。」
「で、これ脚本。
内容に合うような歌詞にしてくれ。
一応恋愛映画だけど、
沙耶香が病気で亡くなるっていうのがメイン。」
「え、私死ぬの?」
「そう。
で、彼氏役の貴也が沙耶香を支えるんだ。」
ふーん、なるほどね。
「ま、そういうことだから頼むよ。」
それで社長たちは去ってった。