居場所をください。
「明日美鈴10時?」
「うん。
でも少し早くいこうかなって。」
「なんで?」
「運動したいから。」
「じゃあ俺もそうするわ。」
「じゃあ明日は一緒に出よ。」
「そうだな。」
そんな会話すら、
美鈴はかなりうとうと。
「……おやすみ。」
俺の声は美鈴に届くことなく
美鈴は眠りについた。
さてと、俺は水を冷蔵庫に戻してくるか。
リビングに戻れば、まだこの男は
ソファに座ってテレビを見てる。
「寝たんじゃねーの?」
「美鈴は寝た。」
俺はそれだけ言って
冷蔵庫に水をしまった。
「……お前さ、なんで大学行かねーの?」
「だから金がねーから。」
「それって言い訳になんの?
今時、奨学金だってあるだろ。
国公立なら奨学金で賄えるだろ。
金がねーっていうけど、
高卒と大卒だと給料違うとこもあるし
そもそも大卒じゃないと採用しないところもあるだろ。」
「学費だけの問題じゃねーんだよ。」