居場所をください。
ライブの練習が始まります。
翌日ー
「……すず」
「んー…」
今日も私は貴也の声で目を覚ます。
それがすっごく気持ちがいい。
やっぱり誰かのいる安心感はいいね。
「おはよ。」
ただ今日はやけに優しい…
というか甘い声…
「おはよー…ってちょ、
何撮ってるのー」
目を開けて貴也の方を見れば
昨日長曽我部さんが持ってきたデジカメで
ムービーをとっていた。
あの密着用。
だからこんな仕事モードな貴也の声なわけね…
「もー…めっちゃ寝起きなのに。
カメラとめてー」
「はいはい。」
布団に隠れてた私に
仕方なく貴也が返事をする。
「とめた。」
その声はいつも通り声で
私は顔を出した。
「いきなり撮らないでよ。」
「どうせカットされるだろ。
続きとるし髪の毛くらいとかしとけ。」
…まったく…