居場所をください。
リビングに行けば、
弘希はもう起きていて、
貴也に説明され終えていた。
「…なら俺あっちの部屋にいるわ。
いい?」
「うん、いいよ。
ご飯出来たら呼ぶし。
布団は?持ってく?」
「持ってく。」
弘希がそういうと
貴也も手伝って寝室へと向かった。
「トイレ行きたくなったら
先にスマホ鳴らしてね。」
「はいはい。
芸能人ってのは大変だな。」
眠そうな弘希はそれだけ言って、
寝室のドアを閉めた。
「さてと、ご飯作りますか。」
何にしようかな~。
基本的に貴也は和食が好きで
たくさんの種類を少しずつ食べたい人だから
本当に品数が増える。
「あ、そうだ。
野菜つけといたんだよね~。」
「え、糠床作ったの?」
……また仕事モードな声。
ってことはまた撮ってるのか。
「うん、そうだよ。
なんか夏って漬け物とか食べたくならない?」
「わかるわかる。」