居場所をください。
それから普通にご飯を食べ、
みんな着替えをして、
私はブログ用のコーデ写メを撮る。
そんな様子まで貴也に撮られる。
そして一段落した頃、長曽我部さんが来た。
「弘希、帰るぞ。」
「わざわざ来んなよ。」
「こいつらももう仕事なんだよ。」
「一人でも帰れるわ。」
これが親子ケンカと言うものか、
私にはそう思うことしかできなかった。
関係ないと言われてしまった以上、
私はこの二人に口出しはできない。
「進路についてはまた話せばいい。
とにかく帰ろう。」
長曽我部さんがそういえば
弘希はなにも言わずに立ち上がって
リビングを出た。
「ちょ、弘希!」
私が思わず呼び止めたけど
「悪い。」
長曽我部さんがなぜか謝って
弘希を追いかけていった。
「…………家族か。」
私がそう呟くと貴也は私の頭に手を乗せた。
「俺らも行こう。」
優しくそう微笑むから
私も貴也に微笑み返した。