居場所をください。



それから普通にご飯を食べ、

みんな着替えをして、

私はブログ用のコーデ写メを撮る。

そんな様子まで貴也に撮られる。


そして一段落した頃、長曽我部さんが来た。


「弘希、帰るぞ。」


「わざわざ来んなよ。」


「こいつらももう仕事なんだよ。」


「一人でも帰れるわ。」


これが親子ケンカと言うものか、

私にはそう思うことしかできなかった。


関係ないと言われてしまった以上、

私はこの二人に口出しはできない。


「進路についてはまた話せばいい。

とにかく帰ろう。」


長曽我部さんがそういえば

弘希はなにも言わずに立ち上がって

リビングを出た。


「ちょ、弘希!」


私が思わず呼び止めたけど


「悪い。」


長曽我部さんがなぜか謝って

弘希を追いかけていった。


「…………家族か。」


私がそう呟くと貴也は私の頭に手を乗せた。


「俺らも行こう。」


優しくそう微笑むから

私も貴也に微笑み返した。



< 2,985 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop