居場所をください。
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「で、どうだった?
花火大会。」
お風呂から出て
寝る前の癒しの一時。
「すっごいきれいだったよ。
一瞬なのに、すっごいきれいだった。」
一瞬で消えるから
儚くて、きれいだったのかもだけど。
「今度は貴也も一緒に見ようね。」
「そうだな。」
「ふふ、こうやって
この狭いベッドで一緒に寝るのも
あと少しだね。」
「そうだな。」
「さっきからそれしか言ってないけど。」
「そうだな。」
「もー、喋る気あるの?」
「悪い悪い。
今日かなりセリフ多くてなんか疲れた。」
「そっか、ごめんね。
早く寝よ。」
「美鈴も早くセリフ覚えろよ?
もう少しで稽古だろ、美鈴も。」
「もう覚えたもん。」
「へー、それは楽しみだな。」
「絶対バカにしてるでしょ。」
「美鈴は役者じゃねーし。
今回のキャストはいい感じだから
足引っ張んなよ?」
「うるさいよ!」