居場所をください。



「あ、いたいた。あの人の近くに停めて。」


私たちがつく頃には朔也がすでにいた。

車から降りて私は朔也に近づいた。


「……………あの男は?」


「あぁ、私のマネージャー。

変な人じゃないよ。」


「ならよかった。

で、なに?」


「これ。CD完成したの。

よかったら聴いて。高橋と。

夏音にはまだ内緒にしてるから。」


「あぁ、だから俺に渡すのか。

了解。ありがとな。


テレビとか出んの?」


「うん。2月1日デビューの日に何本か。

よかったら見てね。」


「吉田さんにはそこでいうわけ?」


「うん、そうだよ。」


「びっくりするだろうな。」


「動画撮っといてほしいくらい。」


私たちがそんな話をしていると


「美鈴、仕事入ったから戻るぞ。」


永田さんに呼ばれた。


「はーい。

ごめんね、また今度。」


「おう、がんばれよ。」


「ありがと!」


私は急いで車に戻った。



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