居場所をください。
「ごめん、お待たせ。
また打ち合わせ?」
「そ。
会社戻る。」
ずいぶん急だね、全く。
私たちが急いでもどって会議室へ向かうと
長曽我部さんが待っていた。
「なにー?」
「貴也の映画あるじゃん。
あれ急遽美鈴も出る。」
「は?」
「つっても最後、歌の部分だけだけどな。」
「なにそれ。え、歌を歌うの?
映画で?」
「そう。五十嵐美鈴として。
最後落ち込んでる貴也は美鈴の歌で元気になる
っていう締め。」
「なるほどね~。」
「だからその歌を新曲のB面に入れる。」
「あー、そういうこと。
了解しました。」
「とにかく、恋人が死んで落ち込む人を
励ますような歌詞にしろよ。」
「はーい。」
ってそれだけ?まさかの。