居場所をください。
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「五十嵐さん、
スタンバイお願いしまーす。」
「はい。」
アイスを食べ、声出しをして
喉が暖まった頃、スタッフさんに呼ばれて
みんなと一緒にステージへと向かう。
私の手にはもちろん長曽我部さんの手。
これが一番落ち着く。
ステージ脇へと向かう手前
私は一度足を止めた。
「それでは
今日も10万人が笑顔になるように
私たちも笑顔で。
The show must 「「go on!!」」」
「よろしくお願いします!」
私はみんなの顔を見てから
ステージへと向かった。
「ふぅー。」
ステージ脇につくなり
私は深い深呼吸をして
長曽我部さんに抱きついていた。
「暑いから早く離れろ。」
「ふふ」
それに私は笑うだけ。
ステージでは私を紹介するVの音がする。
「よし、行ってきます。」
「行ってこい。」
マイクを受け取り、
幕が上がる前にステージへと立つ。
ハルと視線を交わし、
Vの終わりと共に私は歌い始める。
今日も幕が開けるね。