居場所をください。


━━━━━━━━━━━━━━・・・・


「あ、お疲れ~。」


そこにはなぜか隼也と貴也。

そして佐藤さん。


招待席でもなんでもない席に

普通にいる。変装してるけど。


「………仕事は?」


「もちろん終わらせてきた~。

美鈴が夕方からだからなんとか間に合ったわ。」


「貴也の車で?」


「そ。

佐藤さんも迎え来てくれないしな。」


「へぇ、そっか。

来てくれてありがとね。」


私、貴也、隼也の両サイドに

長曽我部さんと佐藤さんが座り

沖野さんのステージが始まるのを

ただただ待っていた。


「一緒にライブいこうって

約束もしてたしな。」


突然、隣に座っている貴也が言った。


「覚えてたの?」


「当たり前。」


「……そっか、ありがと。」


もう一年以上前のことなのにね。



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