居場所をください。
私たちのそんな会話を聞いて
長曽我部さんも貴也の方に目を向けて
立ち上がった。
「すみません、貴也は次の仕事があるので
そろそろ………」
………強制終了。
「あぁ、わかりました。
じゃああとは夏音だけ個人特訓だからな。」
先生がそう言い、貴也はやっと解放され
こちらへと来た。
「あー、まじで勘弁してほしい。」
「お疲れさま。」
貴也はとりあえず座って
私の飲んでいたお茶を奪って飲み干した。
「ほんとすごいな。
あの子。」
と矢島くんも苦笑いだった。
「さてと、俺らは次いくか。」
「うん。」
「え、美鈴ちゃんと貴也一緒なの?」
「そ。次も一緒。
じゃーな。」
私は貴也に手を引かれ、
長曽我部さんと一緒に稽古場を出た。
これから隼也も加えて
ファッションショーの打ち合わせなのだ。