居場所をください。
「そろそろ帰れるかー?」
そこに長曽我部さんが迎えに来た。
「あ、うん。」
「美鈴、その服買い取り処理したから
そのまま持って帰っていいってさ。」
「あれ、お金は?」
「俺のおごり。
帰るぞ?」
「え!おごり?
給料から引くんじゃなくて?」
「そ、おごり。」
「ありがとー!」
長曽我部さんに服買ってもらうなんて
かなり久しぶりだね。
大事に着よっと。
「あ、そっちのワンピースも。
貴也もだけど。」
「え?これ?」
「それはくれるんだとさ。
サイズが特注だから。」
「えー、すごいね。」
「その代わり宣伝してくださいね
ってことだろうけど。」
と貴也が言うから
少し……いや、かなり感動が薄れてしまった。
「………まぁいいや。
さっき、写メも撮ったから
ブログ載せよう。」
と、いうことで
私たちは服をしまって
長曽我部さんの車で帰宅した。