居場所をください。
しばらく歩いて……
「ここ。」
「え、ここ?」
ずいぶんいいとこだな。
「でも私、鍵持ってないんだよね。」
美鈴はそういいながら
エントランスでどこかのインターホンを鳴らした。
『おう、開ける。』
インターホンを押すと長曽我部さんの声が聞こえたから
きっと美鈴の部屋なんだろうな。
自動ドアが開き、俺らは中に入った。
「会社からすごい近いの。」
「だな。いいな、助かるよな。
俺微妙に遠いし。」
「今度いかせてね。」
え、二人で?それはいいのか?
俺男意識されてる?……………うーん。
でもそういうことさらっと言えちゃうところが
俺のことなんとも想ってない証拠だよな。