居場所をください。



「この部屋な。」


そう言って鍵を開けた。


「………どう見ても生活感あるよね。」


「俺んち。」


「は?え、私ここに住むの?」


「おう。」


「……………なにそれ…。」


「あそこから連れ出すって言えば

美鈴来るかと思って。

これしか方法はないと思ってな。」


「なにそれ…。」


「別に変なことしねーし。

空き部屋あるし。こっち。」


そこには空っぽの部屋が。


「……………床に寝るの?」


「あとで買いにいこう。

とりあえず会社行くから。

契約書忘れんなよ。」


「はーい。」


私はまた長曽我部さんと車に乗った。


「長曽我部さん、彼女とかいないの?」


「いねーよ、うるせーな。」


「だんだんひどくなってきたね。」


「これが素。

まー、美鈴が売れるまでは

そんな余裕ないだろうな。」


「本当に私なんかが売れるのかな…。」


「絶対売れる。俺を信じとけ。」


その自信はどこから来るのか…。



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