居場所をください。
「………なに?人の顔ずっと見て。」
知らない間に
私は貴也の顔を見つめていたみたいで
「あ、ごめん。
可愛い顔してるな~とおもって。」
「嬉しくねーよ。」
まつげも長くて目もくりくりしてて
その愛くるしさはどうやって出せるの。
全然タイプではないのに
貴也だからかその顔にもきゃんきゅんして
何もかもにドキドキする。
恋って恐ろしい。
「だからなに見てんだよ。」
「いいじゃん、見てたって。」
「だめ。」
と私の目を隠すから
「じゃあ矢島くんの顔見てる。」
と意地悪言ってみると
貴也は私の手を握って立ち上がった。
「暗くなったしさっさと花火やろう。」
「あ、そうだね!
早く片付けて外行こ!」
またすっかり忘れてたよ。
花火やるの楽しみにしてたのに。