居場所をください。
それから車に乗って、
貴也の地元の方へと向かった。
「あ、ねぇ!
そこまっすぐ行って。」
「はぁ?
それじゃ俺の地元行けねーけど。」
「いいじゃん、寄り道。」
そういって、ちょっと無理矢理
私たちは海へとよった。
「うわー、夜の海って不気味。」
でも嫌いじゃない。
「しかもきたねーし。」
「前に長曽我部さんと喧嘩したときに
ここに来たんだよね。」
「長曽我部さんと喧嘩?
美鈴が?」
「うん。
思いっきり傷つけたのに
長曽我部さんは追いかけてくれた。
だからここはちょっと特別なの。」
「へぇ。」
反応うっす。
まぁいいけどさ。
「ね、誠くん。
ちょっといい?」
「え、俺?」
「うん、ちょっと話あって。
あっち来てくれない?
………明奈ちゃんのことだから。」
最後に小声でそういうと
誠くんは大人しく頷いてくれた。
「二人はちょっと待っててね。
明奈ちゃんが襲われないように
貴也、ちゃんとそばにいてよね!」
「明奈を襲うやつなんていねーと思うけど。」
「はぁ!?うっざ!」
………はは、仲がよろしいことで。