居場所をください。



「……俺また来ていい?」


「え、でもバレたら…。」


「気を付けるし。

俺ら部屋でしか会えねーじゃん。」


なんだそれ。私に会いたいみたいじゃん。


「じゃあバレないようにお願いします。

来るときは事前に教えてね。」


「おう。」


……………なんか楽しいよね、こういうの。

密会みたいで。


「ごちそうさま。」


貴也は完食してくれた。


「俺料理しないから助かる。」


「そうなの?じゃあまた食べに来てね。」


「さんきゅ。

なぁ、これ見ていい?」


それは私のデビュー曲のMV。


「え、恥ずかしいからやだ。」


「いいじゃん、俺にくれたんだから。」


「部屋で見てよ!」


「むり。勝手に見るわ。」


「え!ちょっと!」


……………私の抵抗むなしく

貴也はDVDをセットして再生した。


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