居場所をください。
その後、散々みんなにしごかれ、
2時間のダンス練習も終えた。
「あー、覚えられる自信がない…」
「美鈴ちゃん、佐藤さん来てるけど。
もう18時だし帰らなくていいの?」
「あー、帰る帰る。」
私はくたくたの体にムチを打ち、
立ち上がってシャワーへと向かった。
えーと、次のアルバムの歌詞か…
私の人生、こうやって歌詞とダンスに追われて
毎日進んでいくのかな…
まだ始まったばかりの歌手人生なのに……
「お待たせしました~!」
さっとシャワーを浴び
佐藤さんのもとへと向かった。
「お疲れさま。」
「機嫌直った?」
「……思い出させないでくれる?」
「あはは、ごめんね。
でもさ、咲さん女優で生きていくなら
これからも増えるんじゃないの?」
「そうだろうけどね。」
やっぱり、こういうのは
最初は慣れないもんだよね。
私もまだ貴也のキスシーンってやだし……