居場所をください。
━━━━━━━━━━━━━━・・・・
「ただいまー。」
「おう、おかえり。」
玄関を入ると、
ちょうど貴也がお風呂から出たところだった。
「あ、カメラある?」
「え?あるけど帰って来ていきなりそれ?」
「いいじゃん、早く早く。」
「いやリビングだし。」
ということで貴也の背中を押して、
リビングへ入った。
「あ、これだよね?」
「あぁ、それ。」
と貴也は冷蔵庫からいつもの水を出し
飲み始めたので私も……
「お風呂上がりの貴也です~」
撮影を始めてみた。
「え、ちょ…」
貴也はお水を飲もうとしたけど
こちらに当然気づいて顔を隠した。
「なにとってんの。」
ほんと、一瞬にして仕事モードになるのは
さすがだよねぇ…
「こういうところは私じゃなきゃ
なかなか撮れないじゃん?
早くお水飲んで髪の毛乾かさないと
風邪引きますよ~」
私がそういうと貴也は水をのみ、
また洗面台へと向かったから
私も一回録画をやめてあとを追いかけた。