居場所をください。
そのあともカメラを回し続け、
貴也がスープ温めながら
きゅうりの塩昆布和え作ってくれてるのも撮り、
やっと夜食。
「はい、お茶。」
「ありがと。」
カメラを回してる間は貴也はずっと優しくて
私はただ座ってるだけ。
ま、普段も優しいんだけどさ。
「えー、では今から
貴也が作ってくれたご飯を
食べたいと思います!」
と、少しカメラを離れたところにおいて
私も貴也も映るようにした。
私も映るよ、お風呂上がりだけど。
「いただきまーす」
と、ひっさしぶりのスープから。
「んー、おいしい。
久しぶりだから懐かしい~」
安定の美味しさ。
長曽我部さんのとも、私のとも
マスターのともちょっと違う
貴也の味。
「きゅうりの塩昆布和えは
初めてだね~」
と一口。
「うわ、すごい。
和え加減っていうの?
味付け具合が私の好み。」
しょっぱすぎず、薄すぎず
本当にちょうどいい。
味見なしなのに。
適当に作ってただけなのに。
「よかった。」