居場所をください。



それからは呼んでおいたタクシーに乗り、

松野家のお墓があるお寺を目指した。

………その前に、お花からだけど。


「おはようございまーす!」


「あ、美鈴ちゃんおはよ!

亜樹から聞いてるよ~」


「ごめんね、朝早く。」


「お得意様は特別よ。」


先に亜樹んち寄った。

昨日のうちに亜樹にメールをして

開店前のこの時間に

お花を受け取りに来た。


「ありがと。

それじゃ今日はあんまり時間ないから行くね。

亜樹によろしく。」


私はお金を渡し、

おばさんに手を振って

奥から顔を出したおじさんに頭を下げ

おじさんに気づいた貴也も頭を下げ

お店を出た。


「俺あの人初めて見たけど

社長そっくりだな。」


「まぁー、弟だしね?」


そんな会話をしながら

きれいなお花を抱えて

待たせていたタクシーへと戻った。



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