居場所をください。



「母さんが自分で選んだんだよ。

嫁ぎ先のくせに、墓石変えて怒られねーのかな。」


「………おばさんらしくていいと思う。

でもこれ絶対高いでしょ。」


「それでも遺産が残ったんだから

きっと金、溜め込んでたんだろうな。

俺が送ってた金も全く手をつけてなかったし。」


「………おばさんらしいや。」


おばさんは最後まで、

私の好きなおばさんだったな。


「お花貸して?」


「あぁ、はい。」


先にお墓をきれいにして、

お花を供えて、線香に火をつけた。


そして手をあわせ

おばさんへ、冥福を祈った。


「………よし」


「長かったな。」


「貴也が早すぎなの。」


学校もあるし、

私たちは出たごみを持って、

お墓をあとにした。


「ごみ箱こっち。」


「え、あるの?」


なんて疑問が浮かんだけど

お寺の入り口裏手には本当にごみ箱が。

しかもペットボトルとかのやつまで。


時代を感じた。



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