居場所をください。
「さてと、行くか。」
「そうだね。
…あの学校って授業とかないの?」
「いや、あるよ。
ただ俺らのクラスはないってだけ。」
「え、他にもクラスあるの?」
「普通にあるけど。
ないとでも思ってたわけ?」
「え、いやだって最初隼也が…」
一学年一クラスだって………
「まぁでも学費が変わってくるんだよ。
俺らなんかはあんまり学校いかないから
あの一番安いクラスってとこだろうな。
俺も隼也も、たぶん美鈴もだろうけど
事務所が決めたクラスだから
そもそもそんな行かせる気がないんだろうな。」
「………なんだそれ。」
「それにそのクラスにはいるためには
受験も必要だしな。
俺にはどっちにしろ無理だし。
楽に高卒資格もらえるんだからいいんじゃね?」
「そういう問題?
………まぁでもあんまり通えなかったら
授業ついていけないかなぁ…」
「そうそう。
楽だし、気にすんなよ。」
でも自分がどんどんばかになっていくのが
ちょっと嫌になるよ。
「まぁ栗山さんなんかは
授業受けてたらしいけどな。
でも授業料が高くて
定時だか通信に変えたって聞いたけど。」
………さすが咲さんだ。
あの人こそ完璧というんだろうなぁ…