居場所をください。
「………バイバイ。」
ここに自分で買った家具は
この小さなテーブルだけ。
でもこれも持ってはいけないから
弘希に使ってもらうことにした。
そして、そのテーブルの上に
預かっていたビデオカメラと
ここのカギを置いて、部屋を出た。
そして私はまたリビングへ入った。
「弘希、テーブルだけ置いてくから。
よかったら使って。私いらないし。
………じゃあ、失礼します。」
ここにはいられない。
そう感じた私は
さっさとこの部屋を出た。
ここはもう、私の居場所ではなくなっていた。
………帰ろう。