居場所をください。
「どうしたの?」
電話を終えた俺が部屋に戻れば
里美が俺を見て、そう聞いてきた。
「ん?仕事。
さっきさ、父さんから電話来て
俺明日から休みだから連絡してくんな
って言ったら、今日ならいいと思ってんのか
いきなりめっちゃ電話来た。」
「………それは逆にすごいね。」
なんでもないとか、気にすんなとか
そんなことが言えないなら
俺は嘘をつくしかなくなる。
「それより、飯できた?」
「できたよー。早いけど食べよ。」
「弘希、飯だってさー。」
俺はスマホをサイレントに設定して
ポケットにしまった。
余計な心配はもう、かけたくないから。
「ってかさ、なんで今日来たわけ?
約束してないよな?」
「まぁお祝いかな?」
「お祝い?」