居場所をください。

「おい、彼氏。どうすんだよ。」


………その彼氏って呼び方

どうにかなんねーのかよ…


「…ちょい美鈴の住んでた施設にでも

聞いてみるかな。一応。」


「それなら藍子がいるけど。」


「………あー、施設同室だったとかいう…」


前に愛翔の彼女面してたやつだよな？


「そう、それ。

今は岳とか颯太たちと

そこらへん歩いて探してるけど。

どうすんの？聞くわけ？」


「………じゃあ頼むわ。」


こいつ…長曽我部さんのいとこの

花屋のやつだよな？

………こいつが不良グループ…

見えねー…


「じゃあ俺らはどうする？」


「お前は吉田夏音と付き合ってたろ。

どっか行きそうなところとか知らねーの？」


「夏音の行きそうなところねぇ…

………学校とか？」


「学校？」


「夏音ってあんま行くとこ決まってなかったし

美鈴とどこかへ遊びに行ったとかもわかんなーし

ショッピングモールとかもあったけど

今人が少ないなら学校かなーと。

今思うと俺あんま夏音と思い出ねーなー。」


知らねーよ。

今さら浸ってんなよ。


「じゃあお前らは学校行ってみろよ。

俺らは俺らで探してみるから。」


………で、なんで俺らはこいつに仕切られてんだ？


「亜樹はどうする？

俺らと探すか？」


「………いや、俺はほかに行くとこあるし

あとで岳たちと合流します。」


「そ。

じゃあ俺らは山の方でも行ってみるわ。

あ、これ俺の連絡先～。

松野くんでもいいし？

そっちの金髪君でもいいから

なにかわかったら連絡してね。」


そういって元ヤンの二人は去ってった。