居場所をください。
「………なぁ、美鈴なんかあったんじゃねーの?」
と、今度は弘希が口を開いた。
「お前に関係ないだろ。
聞いてどうすんだよ。」
「関係ないとかあるとか
そんなのは聞いてから決めるし
それに、お前が話さない権限なんてあるのかよ。」
「…………美鈴、いなくなった。」
「は?」
「友達が飯の約束してたのに
約束の時間になっても来ねーし
美鈴、一回ここに来ただろ。
そこからマンションに帰って
そのあと車に乗せられて
そのご連絡がとれないってとこ。」
「なにそれ、誘拐?」
「まぁ大袈裟に言えばそんなとこ。
ただ誰が美鈴を連れてったのかはわかってるし
そいつとも一回は連絡とれたんだけどな。
でもそれから連絡はとれてねーし
今みんなで探してるところ。」
「どうして警察に言わないの?」
今度はこの女が口を挟んできた。
「どうしてだと思う?
ひかるくんは今の状況を知ってて
目の前に警官のあんたがいるのに
どうして警官を頼らないと思う?」
俺が聞いても、この女からの返事はなかった。