居場所をください。
「悪い、お待たせ…って、どうした?」
そこにようやくひかるくんが出てきた。
だから俺はひかるくんに近づいた。
…………だけど、先に口を開いたのは
俺じゃなかった。
「行きたいならさっさと行けよ。」
「は?え、なにが?」
「父さん、さっきからずっと
美鈴のことを気にしてたんだろ。
今話聞いたから。」
「…そういうこと。
でもいいよ。今けっこうな人数で探してるし。」
「俺、今の父さんと母さんなら
再婚すんの反対だから。」
「は?え、何いってんだよ急に」
「血の繋がった妹を守れないやつが
赤の他人の俺らを守れるわけねーだろ。
母さんも、そんな信じられねーやつと結婚して
本当にうまくいくと思ってんのかよ。
二人がぎこちなさ過ぎて
見てるこっちが腹立ってくる。」
…子供にここまで言わせる親は
相当なもんだとおもった。
「亜樹、俺も行くわ。」
そういって、弘希が立ち上がった。
「あいつは俺の姉みたいなもんだから。」
「………わかった。
行くか。」
言うだけのことは言った。
…………弘希が、だけど。
だから俺らは二人で外へ出た。