居場所をください。
━━━━で、車に来たけど…
闇雲に走っても時間の無駄だ。
考えろ、俺…
……その前に情報収集だな。
『プルルル…プルルル…
はい、お疲れさまです。』
「あぁ、貴也か?
俺だけど…なにか進展あったか?」
『…………美鈴のことですか?』
「当たり前だろ。
俺を誰だと思ってんだよ。
で、進展はあったのか?」
『とりあえず車やバイクある人が
遠くまで見に行ってる感じっすかね。
俺はさっき第一高校へ言ったんですけど外れで
美鈴の友達の高橋瑠樹ってやつが
吉田夏音と付き合ってたんで
行きそうなとことか聞いたんですけど
まじで役立たずで。
とにかくどこへいけばいいのかわかんなくて
みんな適当に走ってる感じっすね。』
「…なるほどな。
俺さ、ちょっと考えたんだけど
もし俺が嫌いなやつに精神的ダメージ与えるなら
相手の思い出の場所を選ぶんだよな。
相手が大好きな場所で卑劣なことして
相手の思い出もズタズタにしてやる。」
『性格悪いですね。』
「うるせーよ。
…だからさ、吉田夏音が行きそうなところより
美鈴が好きな場所とかの方が可能性あるかな
って思ったんだよ。
だから貴也は美鈴との思い出の場所ってねーの?
美鈴がブログに細かくくらい、気に入ってる場所。」
『…………観覧車…』
「え?」
観覧車?
『俺ちょっと心当たりあるんで行ってみます。』
「わかった。
俺もちょっと考えて色々回るわ。
何かあったら俺にまた連絡して。」
『わかりました。』
………観覧車、か…
そういや貴也とまた一緒にいく約束してたって…
まぁもう行ったっぽいけど……
もう二度と行きたくなくなるようにしてやるなら
いい場所なのかもしれないな。