居場所をください。
昔の約束。
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…………ん……さむ…
あれ、私……どうしたんだっけ…
……あれ…なんか腕が…動か、ない…?
「あ、起きたかな~?」
…………夏音…?
「美鈴、おはよ。」
「…………夏音…」
…暗い…もう夜…?
ここは…どこ、だっけ?
…………あぁ、私眠らされて…
「腕、痛くない?」
「え…あれ、これ夏音が…?」
「うん、そうだよ。」
私の腕は拘束されていた。
そりゃ動かないわけだ…
「………どうしてこんなことするの?」
「私ね、美鈴と知り合ったとき
こんなに使える子はいないって思ったの。
だって、私のこと本気で天然だと勘違いしてるし
やりやすいなって。
ブスはやだけど、そこそこ可愛いのも事実だし。
…………だけどさ、美鈴と一緒にいて
美鈴がどんどんいい子に見えてきて…
みんなは美鈴のこと嫌ってるのに
美鈴はいつも前だけを見つめてて
素直で、可愛くて、嘘が嫌いで
知れば知るほど、非の打ち所のないくらい
いい子なんだって気づいたの。
私、それが憎くて憎くて仕方なかった。
こんなに着飾って、勉強もして
親のいいなりに頑張ってきた私より
そのままの美鈴の方がいい女で
………私の好きな人も美鈴のことが好きだった。
私、一高入学してすぐ一目惚れした人がいて
その人は美鈴のことが好きだった。
だから、美鈴と仲良くしてれば
その人とも仲良くできるかなって。」
「え、待って…誰…?」
「美鈴ってほんと鈍いよね。
朔也くんしかいないじゃん。」
「…えぇ!?うそ…」
え、朔也?朔也が好きだったの…?