居場所をください。
「和也っ…」
大橋かなが和也に近づいたから
━━バチン、
私は大橋かなに、思いきり平手打ちをした。
「…った、
なにすんの!」
「………私、子供を捨てる親って許せないの。」
私は和也の目の前で、そう言った。
「…………は?なに…」
私は、そこに放置されたカバンから
1枚の写真を取り出した。
「忘れたなんて、言わせない。」
その写真を大橋かなに押し付けた。
「親に捨てられた子供が
どんな気持ちかだなんて
あんたにはわからないでしょうね。
わからないから、平気な顔して
和也に近づけたんでしょ?」
私がそういうと、
和也は大橋かなから写真を奪った。
「…………優輝…?
うそ、だろ?
かな、お前優輝の母親なのか?」
その質問に、大橋かなはなにも答えなかった。
「捨てられた子供の気持ちわからないあなたが
和也の彼女をだなんて、私は絶対認めない。」
私が強くそう言うと
和也は急に立ち上がった。
「…こいつも薬やってます。」
「………わかった。
すぐに警察が来るから。」