居場所をください。
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「じゃーね、高橋。
遅くまでありがとね。
…………ご飯はまた今度いこうね。」
「おう、次は美鈴のおごりな~。」
「はは、はいはい。わかりました。
じゃーね。」
ずっと探し回ってくれた高橋を送り、
お礼を伝えて、私は貴也とマンションへ戻った。
「…ごめんね、貴也も。」
「謝んなよ。
俺は彼氏で、あいつは友達。
いなくなったら心配して当然だろ。」
「………ありがと。」
「…でも、今回のことで改めて思った。
美鈴はいろんなやつに愛されてんだなって。」
「え?」
「美鈴を探してたの、俺らだけじゃなくて
岳人とか颯太とかもいたし
亜樹ってやつなんか、長曽我部さんの
息子と一緒だったしな。」
「え、亜樹と弘希が?
……あの二人仲良かったっけ…」
「だから、美鈴が繋いだんだよ。
あんま仲良くなかったらしいけど
今回のことでわだかまりとかもなくなって
普通に仲良くなったっぽい。」
「へー、そうなんだ。
………なんか、よかった。」
「それに、長曽我部さんの友達の
大和さんとか樹生さん以外にも
かなりの人数探してたしな。
美鈴さ、友達いないとか言ってたけど
けっこういっぱいいるじゃん。」
「…………そっか。
へへ、嬉しいや。」
私がそういって笑うと
「やっと笑ったな。」
と、貴也も笑った。