居場所をください。



「…和也ともね、

なんかやっとちゃんと話せたよ。

………だから、私はあいつが更生して

戻ってくるのを待つつもり。」


「…それはあんま嬉しくねーな。」


「あ、やきもちですか。」


「調子のんな。」


「はは、ごめんごめん。

…………あいつは家族だから。

きっと許すにはかなりの時間がかかる。

…許せることなんかないかもしれない。

だけど、嫌いにはなれないや。

小さい頃からずっと一緒だったから

長い間、すれ違ってきただけなのかもしれない。」


「………そうか。」


あいつのしてきたことは忘れられない。

あいつがしてきたことは私にとって

忘れちゃいけない痛みだから。


……だけど、いつかちゃんと向き合えたら

許してあげたい、って思うのは

やっぱりあいつと私は血の繋がりなんか関係ない

他のなにかがあるからなのかもしれない。


「ふぅ~、到着。」


「運転ありがと。」


「おう。」


やっと帰ってこれたマンションに

私は一人で入った。



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