居場所をください。



「………帰んの?」


「…大和か。

また美鈴がいなくなったっぽくて」


「は?」


「まぁ今回は美鈴が出てったらしいけど。

俺んちに来てるかもだし家戻るわ。」


「美鈴ちゃんが?自分でひからんちに?

それはないだろ。

昨日構わないでって美鈴ちゃんが言ったんだろ。

その美鈴ちゃんが自分から

ひかるんちに行くかよ。」


「…………そんなの、わかんねーだろ。」


「だいたい、ひかるがここにいるのに

美鈴ちゃんはどうやってお前んちに入るんだよ。」


「そんなの合鍵で

…………あ、あいつ持ってないんだ」


そうだ、あいつ昨日俺んちに置いてって

俺、昨日渡せてない…


「それにな、いなくなったって

どうせ彼氏と喧嘩して家出ってとこだろ?

普通帰るなら実家だろ。」


…………あぁ、なるほど。


「とにかく、俺いくわ。」


「言っとくけど、

車はやめとけよー。

まだ飲酒になるからなー。」


「わかってるわ。」


くっそ、こんなことなら

朝方まで酒なんか飲むんじゃなかった。



< 3,719 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop