居場所をください。
「………帰んの?」
「…大和か。
また美鈴がいなくなったっぽくて」
「は?」
「まぁ今回は美鈴が出てったらしいけど。
俺んちに来てるかもだし家戻るわ。」
「美鈴ちゃんが?自分でひからんちに?
それはないだろ。
昨日構わないでって美鈴ちゃんが言ったんだろ。
その美鈴ちゃんが自分から
ひかるんちに行くかよ。」
「…………そんなの、わかんねーだろ。」
「だいたい、ひかるがここにいるのに
美鈴ちゃんはどうやってお前んちに入るんだよ。」
「そんなの合鍵で
…………あ、あいつ持ってないんだ」
そうだ、あいつ昨日俺んちに置いてって
俺、昨日渡せてない…
「それにな、いなくなったって
どうせ彼氏と喧嘩して家出ってとこだろ?
普通帰るなら実家だろ。」
…………あぁ、なるほど。
「とにかく、俺いくわ。」
「言っとくけど、
車はやめとけよー。
まだ飲酒になるからなー。」
「わかってるわ。」
くっそ、こんなことなら
朝方まで酒なんか飲むんじゃなかった。