居場所をください。
それから亜樹の部屋のドアを開けると
ベッドの上で美鈴が眠っていた。
俺は美鈴に近づき、ベッドの横に膝をついた。
「…誰も美鈴を責めてねーよ」
頭をなで、そう言い
俺は美鈴の鞄をあさって、
キーケースを取り出した。
俺があげたキーケースに
俺んちの鍵を戻し、
枕元へと置いた。
「いつでも来いよ。」
また頭を撫で、俺は部屋を出た。
「………帰るわ。」
「うん。」
「美鈴の頼むわ。」
「はは、言われなくても。」
「…じゃ。」
仕方なく、俺は手ぶらで大和の車へ戻った。
「あれ、美鈴ちゃんは?」
「置いてくことにした。」
「なんだよ、なら帰ればよかったわ。」
「ったく、どんな性格してんだよ。」
「さすがひかるの友達だろ。」
「…………とりあえず帰るわ。」
「車は?どうすんの?」
「あとで取りいく。」
「んじゃマンションに送るわ。」