居場所をください。
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大和にマンションまで送ってもらい、
部屋に入ってからまず貴也に電話を掛けた。
『…………はい。』
「あぁ、俺。
美鈴の居場所わかったわ。」
『…帰ってきます?』
「待つしかないなーって感じだな。
ハワイは諦めるしかないかもな。」
『………そうですか。』
「ごめんな。」
『いえ、俺が悪いんです。』
「いや、俺だよ。
元はといえば全部俺のせい。
…………ちょうどあと1週間休みがあるし
貴也もゆっくり休め。」
『…俺にできることってないんすかね。』
「はは、貴也がいなくなったときの
美鈴みたいだな、お前も。
人のためになにかするってことは
簡単なことじゃねーんだよ。
…俺も、美鈴のためって思ってても
空回りばっかりだしな。
だから気にすんな。
あいつなら大丈夫だよ。」
『………はい。』
「とりあえず元気出せよ。
あんま自分責めんなよ。」
『それは長曽我部さんに
そのままお返しします。』
「うるせーよ。
じゃーな、俺ちょっと寝るわ。」
『はい、朝からすみません。』
…貴也にできること、ねぇ…
…………逆に、貴也にしかできねーのかな。
美鈴のために、なんて…
最初っから俺なんかにできることは
なかったのかもな。