居場所をください。
「私は、長曽我部さんに
いっぱい助けてもらったから
長曽我部さんがマネージャーのうちに…
私は長曽我部さんに感謝の気持ちを伝えたいの。」
「…………うん?」
「ふふ、私ってね長曽我部さんにはとくに
自分の気持ちを素直に伝えることができないの。
そんな私が長曽我部さんさんに伝えるには
歌しかないから。」
「歌?
…………もしかして、長曽我部さんに内緒で
CD作る気?」
「ううん、そうじゃない。
だってそれじゃ絶対バレちゃうもん。」
「え、じゃあどうするの?」
「長曽我部さんにバレずに、なんて
方法は1つしかないよ?」
「…………もしかして…」
「と、いうことなんで
今私、曲作ってます。」
「…………一人で?」
「うん。
だって、長曽我部さんは私に
作曲もできるようになれって。」
「歌詞は?もうできたの?」
「ううん、まだ。
出来たら社長に言うつもりなんだけど
問題は作曲なのね。
ボイスレコーダーはあるんだけど
できればピアノがよくて。」
「それなら長曽我部社長に相談すればいいよ。
ピアノくらい、あるはずだから。」
「それともう一個、MVなんだけど」
「え!撮るの?」
「そのつもり。
でも私はたぶん撮れないと思うの。
だからさ、さりげなーく長曽我部さんの
仕事をしてる姿を佐藤さんが撮ってくれたら
嬉しいなぁ、なーんて。」
「…………長曽我部さんにバレずに…?」
「ほら、ライブの制作映像とか撮るじゃん!
あのついでに、とか…」
「…仕方ないなぁ…」
「ありがとう!!」
「…全部、一人でやるの?」
「そのつもり。
だからさ、映像の編集の仕方とか
教えてね?」
「…俺話聞きに来てよかったよ。
知らなかったらバタバタだったし。」
「ふふ、お願いします。」