居場所をください。



「あ、そうだ。これ。」


「…………貴也のCD?

持ってるよ?」


「うん、知ってる。

もし行き詰まったら息抜きに聴いてみたら?

って、長曽我部社長が。」


「…………ふーん、そっか。

わかった、聴いてみる。」


「ちなみにそれ、俺の奢りだからね。」


「え、買ってきたの?」


「だって社長ケチなのかくれないしね。

貴也に聞いてももう持ってないって言うし

買うしかないかーって。」


「はは、そっか。なんかごめんね。」


「ま、俺マネージャーだしね。

俺は来年もマネージャーだから。」


「うん、これからもお願いします。」


「じゃ、頑張ってね。

俺行くね。」


「うん、本当ありがと。

また明日ね~!」


佐藤さんは私に手を振って

帰っていった。


何度も思うけど

佐藤さんは本当にいいマネージャーだ。

偉そうな態度をとるわけでもなく

仕事もできるし、物言いも優しいし。

遠いのに来てくれるし。


「よし、頑張ろっと。」



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