居場所をください。
「………別に俺はなんにもしてねーけど。」
このすげー敵対心燃やしてる態度は
テレビの中で見る松野貴也と違って
威圧感が半端ない。
そんだけ美鈴のことが好きだって伝わってくる。
「…いや、そうじゃなくて…」
かと思えば威圧感がなくなって
今度は潮らしくなった。
役者だからか?感情表現がやたら豊かだな。
「…美鈴、元気か?」
「あぁ、そっち?
別に普通。元気だし
俺と二人きりでも平気だし
瑠樹と二人きりでも平気。
あいつ言ってた。
みんなに守られてるってわかったから
怖くないって。」
「…………そ。わかった。」
「だけど」
一瞬ホッとした顔をした松野貴也に
俺はまた切り替えるように言った。
「お前を傷つけることには
まだビビってる。」
「…………そ。」
「…………ちょい時間、いい?」
俺がそういうと
「……俺の車あるけど。」
松野貴也は歩き出したから
俺もそれに着いていった。