居場所をください。
で、たった200メートルくらいしかない俺んちまで
なぜか俺は送られた。
「あのさ」
「なに。」
「もう置いてったりすんなよ
美鈴のこと。」
「…………アホか。
俺は一回も美鈴を置いてったことなんかねーよ。
俺にはもう美鈴しかいねーから。」
どんだけ言っても強気で返してくるから
最後ダメージを与えてやろうと思って言った言葉は
予想以上に、こいつにダメージを与えた。
「…………アホなのはテメーだろ。
お前にもいんだろ、友達くらい。
お前もいい加減気づけよ。
友達なんて、いつの間にか
あっという間に増えてるもんなんだよ。
美鈴でも気づけたんだからな。
芸能界だけがお前の世界じゃねーだろ。
…………じゃーな。」
「あ、おい」
「なんだよ。」
「…………ありがとな。」
「おう。」
俺はそれだけ言って、車のドアを閉めた。